妊娠初期から大切な栄養素〜カルシウム〜

妊娠中に付加量が設定されていないカルシウムとの付き合い方

妊娠中の食事は、妊婦さんであるお母さんの健康管理はもちろん、赤ちゃんのライフステージの最も初期の段階の栄養状態を形づくるものとしても重要とされています。

安心して元気な赤ちゃんを出産するためにも、食事や栄養にも気を付けていきたいですね。

栄養素は色々と種類がありますが、今回はその中でもよく耳にする栄養素、カルシウムに着目してみましょう。

カルシウムは骨や歯を形成するもので、人体に含まれるミネラルの中では最も多く含まれています。

新生児の身体にも約30g程度のカルシウムが含まれていて、この大半は妊娠後期にお母さんの身体から供給されています。そうなると、お母さんは妊娠前よりカルシウムを多く摂らなければいけない……と考えたくなるのですが、実は妊娠中はカルシウムの付加量は設定されていません。これはどういうことでしょう。

付加量が設定されていない?!

かつては妊娠中は妊娠前よりもカルシウムを多く摂るように言われてきました。

しかし、現在、私たちがどの栄養素をどのくらい摂取すべきかを表している食事摂取基準2015では、妊娠時のカルシウム付加量は特に定められていません。

これには、カルシウム吸収率が関係しています。

食事から摂取するカルシウムのうち、その吸収率は非妊娠時の平均23%であるのに対し、妊娠後期には平均42%に上昇します。そして多く吸収されたカルシウムは赤ちゃんの身体へ蓄積されることになります。また、通常より多く母体に取り込まれたカルシウムは尿中排泄量を著しく増大させるため、余分なカルシウムは体外へ出て行ってしまうのです。これらのことから、付加量は必要ないということになっています。よって、カルシウムは成人女性の推奨量である650_/日を目指しましょう。

ただし、カルシウムの付加量が設定されていないからと言って、「特に意識して摂取する必要がない」ということではありません。カルシウムは赤ちゃんの身体を作る大事な栄養素ですから、不足しないように摂取することが大切です。

ちなみに、日本人の通常の食事から上限量(2500_/日)を超えることはまれと言われていますが、サプリメントやカルシウム強化食品などを用いる場合には、注意しましょう。

カルシウムをおいしく摂取しよう

カルシウムを多く含む食品は牛乳・乳製品、小魚、緑黄色野菜などがあります。

そして、これらは食品によって体内への吸収率が異なるという特徴があります。それぞれの吸収率は以下の通りです。

牛乳・乳製品:40%

小魚:33%

緑黄色野菜:19%

(参考:日本栄養士会HP)

こうして見ると、カルシウムの供給源として牛乳・乳製品が最も効率よい食品だということがわかるかと思います。

また、カルシウムの吸収を阻害する物質には、シュウ酸(ホウレンソウやタケノコなどのアク)やフィチン酸(未精製の穀類や豆などに多い)、過剰なタンパク質やナトリウム(塩分)、リンはカルシウムの吸収を阻害してしまいます。

この他、調理によるカルシウムの損失があり、例えばほうれん草は茹でたり煮たりすると20〜35%減少します。これらのことも覚えておくとよいでしょう。

ただ、嗜好や献立への取り入れやすさなどもありますから、無理のない範囲で、積極的にカルシウムが多い食品を取り入れていくとよいですね。

今回はカルシウムを多く含む食品の復習も兼ねて、乳製品、小魚、緑黄色野菜のすべてを取り入れたレシピをご紹介します。小魚とチーズ入りの青菜ごはんです。おにぎりにすればお弁当や補食(間食)にも役立ちます。

カルシウム豊富料理

<材料>

・ごはん 150g

・青菜(ほうれん草か小松菜) 茹でたもの10g

・ちりめんじゃこ 5g

・チーズ 15g

・塩 0.3g

<作り方>

?茹でた青菜は水気を絞って細かく刻む。チーズは8ミリ角に切る。

?ごはんに青菜、ちりめんじゃこ、チーズ、塩を加えて混ぜて、おにぎりを握って完成。

カルシウムを多く含む食品や、それを使った料理を献立に取り入れて不足しないようにしていきましょう。

また、ビタミンDはカルシウムの吸収を高めるので、これを多く含む魚やきのこ類なども、合わせて献立に取り入れると、さらに効率よく摂取できるでしょう。

 

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