妊娠時期には知っておきたいヨウ素の取り方

ヨウ素

【日本人にとって不足の心配不要なヨウ素】

妊娠中の食事は、妊婦さんであるお母さんの健康管理はもちろん、赤ちゃんのライフステージの最も初期の段階の栄養状態を形づくるものとしても重要とされています。

安心して元気な赤ちゃんを出産するためにも、食事や栄養にも気を付けていきたいですね。
栄養素は色々と種類がありますが、今回はその中でも日本人は不足することがなさそうと言われている栄養素、ヨウ素に着目してみましょう。

ヨウ素は海水の中に多く存在するミネラルで、海藻や魚介類に多く含まれています。
余談ですが、ヨウ素が発見されたのはナポレオン戦争のときのことで、海藻から火薬を製造している時に偶然発見されたのだそうです。

わかめやひじき等の海藻類に多いヨウ素ですが、昆布には特に高濃度で含まれています。これらを食材として、また出汁として伝統的に用いてきた日本人は、ヨウ素の摂取量が必要量を大幅に上回っていて、不足が問題になることはないと言われています。

ですが、やはり極端なことをすれば当然不足も起こりうるので、嫌いだからと言って長期間全く海藻類を食べないようなことがあると、ヨウ素の不足につながってしまいます。

【妊娠中のヨウ素の役割と摂取量】

日本人ではあまり不足の心配がないヨウ素ですが、不足するとどうなるのでしょう?
私たちの身体の中のヨウ素は70〜80%が甲状腺(のどの付け根あたりにある器官)に存在し、甲状腺ホルモンを形成しています。この甲状腺ホルモンは生殖、成長、発達などと関わりエネルギー代謝を亢進させる働きがあります。また、胎児の脳、末梢組織、骨格等の発達と成長を促すことから、妊婦さんにとっても大切な栄養素です。

このヨウ素の慢性的な不足は甲状腺の機能を低下させます。また、妊娠中のヨウ素欠乏は死産、流産、胎児の先天異常及び先天性甲状腺機能低下症を招く恐れがあるとされています。

そのため、日頃、和食が少ない方や海藻類を食べないという方は、少し意識してヨウ素が多い食品を取り入れたほうがよさそうですね。

ではどのくらい摂ればよいのかというと、非妊娠時の食事摂取基準に加えて、妊娠中は付加量が設定されているので、推定平均必要量で170μg/日、推奨量で240μg/日を目指すことになります。これには新生児の甲状腺内のヨウ素量なども考慮されているのですが、では、この量をクリアするためには何をどのくらい摂ればいいのでしょう。

実はとても簡単で、乾燥のカットわかめ3g摂るだけで、推奨量の240μgをクリアできます。

そう聞くと、これなら大丈夫そう、と安心された方も多いのではないでしょうか。

【過剰摂取にも注意】

最初に日本人はヨウ素の不足はあまり問題にならないと言いましたが、反対に摂り過ぎによって生じる過剰症に注意する必要があります。

ヨウ素は日常的に大量に摂り過ぎると、軽度の場合は甲状腺機能低下、重度の場合は甲状腺腫が発生し、体重減少や頻脈、筋力低下等がみられることもあります。

ヨウ素に起因する新生児の甲状腺機能低下はまれですが、胎児はヨウ素過剰への感受性が高いと考えられており、そのため、妊婦は非妊娠時よりもヨウ素の過剰摂取に注意する必要があると言われています。

その耐容上限量は2mg/日(単位をμgにすると2,000μg/日)とされていて、非妊娠時の3mg/日よりも少なく設定されています。

非妊娠時の上限量については、日本人の現在の食生活も考慮して算定された最大許容量、健康障害発現量なのですが、これはアメリカなど海外の国々の上限量よりも多い値です。この理由には食生活の現状を考慮していることに加え、私たち日本人は伝統的な食習慣も影響してか、ヨウ素の過剰摂取の影響を受けにくいと考えられているためです。

ただし、高濃度でヨウ素が含まれる昆布ばかりを大量に食べるようなことがあると、やはり過剰症は発現しているので、偏った食べ方をしないように注意しましょう。

ヨウ素が豊富な食べ物

ヨウ素が豊富な食べ物

繰り返しになりますが、妊娠時は非妊娠時よりもヨウ素の過剰摂取に注意が必要です。
出汁用の昆布だけでなく、昆布には様々な加工食品も多く存在します。私たち日本人にとって親しみのある食材の一つである昆布は食物繊維やカルシウムなども摂れて、カロリーは控え目なのですから、妊娠中の栄養補給や体重コントロールに役立つ食材と言えるでしょう。ただ、過剰症のことも覚えておくとさらによさそうですね。

 

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