妊娠中にしっかり摂りたい栄養素〜鉄分

妊娠中の食事は、妊婦さんであるお母さんの健康管理はもちろん、赤ちゃんのライフステージの最も初期の段階の栄養状態を形づくるものとしても重要とされています。

安心して元気な赤ちゃんを出産するためにも、食事や栄養にも気を付けていきたいですね。

栄養素は色々と種類がありますが、今回はその中でも妊娠中の需要量が増大する栄養素、鉄分に着目してみましょう。

食品の中の鉄は主に、二種類に分けられます。一つはタンパク質と結合したヘム鉄で、動物性の食品に多く含まれています。そしてもう一つは無機鉄である非ヘム鉄で、植物性の食品に多く含まれています。

妊娠期には、基本的な損失に加えて、胎児の成長に伴う鉄の貯蔵と、臍帯・胎盤中への鉄貯蔵、そして循環血液量の増加に伴う赤血球量の増加による鉄需要の増加があり、それぞれ、妊娠の時期によって異なります。

厚生労働省が出している食事摂取基準では必要量に吸収率を加味して、妊娠の初期・中期・後期それぞれに付加量を設定しています。

その付加量は初期+2.5_、中期・後期+15_で、もともとの基準値とあわせて、一日に摂りたい量は、初期では8.5〜9.0_、中期・後期では21〜21.5_と、特に中期・後期で多くの鉄分が必要となることがわかります。

【吸収率を上げる工夫もあります】

鉄は不足すると貧血や無力感、食欲不振などが起こってしまいます。妊娠中は特に必要量が多いため、積極的に摂りたいところですが、食事から摂る際に、ちょっとした工夫を取り入れると、鉄の吸収率がよくなります。

鉄分のうち、動物性のヘム鉄はそのままの形で体内へ吸収されますが、植物性の食品に含まれる非ヘム鉄は、三価鉄イオンの形ではほとんど吸収されません。ビタミンCなどの還元物質によって二価鉄イオンとなり、吸収されることが知られています。このように、鉄分は、同時に摂取する食べ物によって大きく変わります。

例えば、鉄の吸収を促進するものとして、先ほど述べたビタミンCの他に、タンパク質、アミノ酸があり、反対に吸収を抑制するものにはフィチン酸、タンニン、シュウ酸などがあります。ビタミンCは野菜や果物、芋類にも多く含まれていますし、タンパク質は肉や魚、卵などに多く含まれているもので、アミノ酸はタンパク質を構成しているものです。フィチン酸は精製度の低い穀類(玄米など)や、大豆に含まれ、タンニンはお茶の渋み成分です。シュウ酸はほうれん草やタケノコなどの苦み、えぐみで、茹でることで溶け出すので、シュウ酸を減らすことができます。

このように、鉄分を摂取することに加えて、吸収率を上げる工夫、または吸収を邪魔しない工夫もすると、さらに効率よく鉄分が吸収されて、貧血などの予防にも役立つでしょう。

【動物性も植物性も取り入れて】

動物性の鉄分を多く含む食品は、肉やレバー、赤身の魚などがありますが、レバーに多いビタミンAの過剰摂取やまぐろなどは水銀などの心配もあるので、これらは量と頻度を考えて食べる必要があります。そこで、今回ご紹介したいのが、アサリを使ったレシピ、‘アサリとひじきの磯煮’です。アサリからも動物性のヘム鉄が摂れます。(アサリの鉄分を非ヘム鉄とする情報提供サイトも見かけますが、厚生労働省の情報提供サイトではヘム鉄とされています。)一緒に使っているひじきは植物性の非ヘム鉄を豊富に含んでます。この非ヘム鉄の吸収をよくするために、タンパク質やビタミンCを含む食品を組み合わせました。枝豆以外にもビタミンCを含む野菜はあるので、旬のもの、お好みのものを取り入れてみて下さいね。

鉄分レシピ

鉄分レシピ

<材料(二人分)>

・芽ひじき(乾燥) 10g

・ゆで大豆 30g

・アサリ剥き身 20g

・人参 40g

・茹で枝豆 正味20g

・キャノーラ油 小さじ1

・かつおなど和風のだし 200_

・上白糖 大さじ1

・みりん 大さじ1

・濃口醤油 大さじ1

<作り方>

1.芽ひじきは水で戻して洗う。人参は太めのせん切りにする。茹でた枝豆は鞘から出しておく。

2.鍋を熱して油をひき、人参、ひじきの順で炒める。

3.大豆、アサリと出汁を加えて煮立ったら砂糖、みりん、醤油を加えて、汁気がなくなるまで煮詰める。

4.仕上げに枝豆を加えて完成。

少し多めに作っておくと、「あと1品欲しい」ときにも活躍してくれるおかずです。白いごはんとの相性もよく、鉄分がしっかり摂れます。

 

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