聞き慣れないビタミンKは、骨や血液を作るのに大切な栄養素

【特に不足の心配が不要なビタミンK】

妊娠中の食事は、妊婦さんであるお母さんの健康管理はもちろん、赤ちゃんのライフステージの最も初期の段階の栄養状態を形づくるものとしても重要とされています。
安心して元気な赤ちゃんを出産するためにも、食事や栄養にも気を付けていきたいですね。
栄養素は色々と種類がありますが、今回はその中でも脂溶性のビタミン、ビタミンKに着目してみましょう。

青菜

ビタミンKは血液の凝固や骨の代謝に関与していて、不足すると鼻血や胃腸からの出血、血尿、血液凝固の遅延、さらに慢性的な不足は骨粗鬆症や骨折を引き起こします。

ビタミンKには食品から摂取できるものと、体内の腸内細菌から合成されるものがあります。「体内でもビタミンKが作られているなら食事からの摂取量が少なくても大丈夫?」と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、体内でのビタミンK生成量についてはそれほど多いわけではないようで、食事からの摂取も大切と考えられています。

ビタミンKは緑黄色野菜や海藻類、納豆に多く含まれています。
これらをよく食べる日本人はビタミンKを十分に摂取していることが国民健康・栄養調査の結果からも知られていますので、これをもとに、食事摂取基準では1日150?(成人女性)の目安量が設定されています。

【赤ちゃんには必要なビタミンKなのに付加量がない?】

実は、食事摂取基準2015において、ビタミンKの摂取量は妊娠時も非妊娠時も同じ量でよいと考えられています。
これには、妊娠によって母体のビタミンK必要量が増加したり、血中のビタミンKの濃度が変化したりしないことや、妊婦さんのビタミンK欠乏症状が現れることもない等が理由となっています。
また、乳児・新生児のビタミンK欠乏症が心配になるかもしれませんが、ビタミンKは胎盤を通過しにくく、このため妊婦さんのビタミンKの摂取が胎児や出生直後の新生児のビタミンKの栄養状態に大きく影響されることはないそうです。
また、母乳中にはビタミンKが少ないのですが、だからといってお母さんがたくさんビタミンKを摂取すればよいというわけでもないようです。なぜかというと、授乳婦さんにも特に付加量は設定されていません。これは授乳婦においてビタミンKの不足の報告もなく、根拠もないことからビタミンKの食事摂取基準も妊娠時、非妊娠時と同じ目安量となっています。
つまり、ビタミンKは妊娠していてもしていなくても、出産後も同じ量、1日150?が目安量となります。この1日150?というのは、バランスのよい食生活を心がければ自然とクリアできる量ですから、偏った食事をしないように心がけましょう。

【バランスよく食べることが大切】

日本人は十分にビタミンKが摂れているようですが、そもそもビタミンKの欠乏症は通常の食事をしている健康な人で発生することはまれと言われています。
また、過剰症についてはビタミンKは、天然に存在するものは特に過剰症は知られておらず、たくさん摂取しても心配不要です。

このように、ビタミンKは特に妊娠中に意識する機会が少ない栄養素かもしれませんが、あくまでもバランスよく食べることが欠乏しないためには大切です。
ビタミンKを多く含む緑黄色野菜、海藻類、納豆も食事に取り入れていくとよいですね。
また、嗜好の面から納豆を日頃食べないという方もいらっしゃるかと思いますので、そんな方にもおすすめの青菜の簡単料理をご紹介します。青菜は和・洋・中・エスニックなど、どのジャンルにも取り入れやすく、他の料理とも組み合わせやすいです。さらに、妊娠中に積極的に摂りたい葉酸やビタミンAなどの栄養素も摂取できるのも嬉しいですね。使用する青菜は小松菜、ほうれん草でもよいですし、または春菊や菜の花でも同様に作れるので、旬のもの、好きなものなどでチャレンジしてみて下さいね。

ビタミンK

①  菜飯(写真中央)

茹でた青菜を刻んでご飯に混ぜます。お好みでごまや雑魚を混ぜてもおいしく栄養価UPできます。

②  青菜のポタージュ(写真奥)

じゃがいも1個(50g)と玉ねぎ1/8個(25g)をブイヨン3/4カップで柔らかく茹でて、茹でた青菜20gと牛乳1/2カップを加えてミキサーでなめらかにし、塩こしょうで味を調えて完成です。

③  青菜のナムル(写真手前)

茹でた青菜にごま油、にんにく、ごま、塩で味をつけて揉んで完成です。

もちろん青菜以外の野菜や、前述の通り海藻類や納豆などにもビタミンKは豊富に含まれていますので、色々な食材を組み合わせながらバランスよく食べるように心がけましょう。そうすることが、お母さんと赤ちゃんの健康につながっているはずです。

 

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